あなたの苦しみは報いられる

 日の目を見ず、実を結ばない世の中

 

現在放送されているNHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』の前の『おちょやん』は大正から昭和の時代を中心とした舞台となっています。


その時代の中で「この世には、いくら頑張っても、日の目を見ない人がたくさんいる。…芝居の力で、一生懸命生きてる人たちが平等に報われる、そういう世の中に変えたいんだ」というセリフがありました。


同じように明治~昭和の作家の太宰(だざい)(おさむ)「苦しみ多ければ、それだけ、報いられるところ少し」と語っています。


現代においても真面目に一生懸命、頑張って生きていても、日の目を見ず、実を結ばないということがよくあるのではないでしょうか。

 

日の目を見ない「潜伏期間30年」

 

漫談家の綾小路(あやのこうじ)きみまろさんは今でこそ、有名で誰もが知っている存在ですが、ブレイクするまで、長い下積み生活がありました。


18歳の頃に鹿児島から上京し、28歳で漫談家としてデビューしましたが、なかなか日の目を見るまでに至らなかったからです。


そこできみまろさんは長期間にわたり、一人でも多くの人に自分の話を聞いてもらいたいと、奥さんと一緒に自分の漫談をカセットテープに吹き込んで、高速道路のサービスエリアで中高年層に数千本のテープをひたすら配りまくったそうです。


そのうち、無料で配られたテープをバスガイドさんが観光バスの中で流すと大爆笑になり、その甲斐もあって、50歳過ぎでようやく、大ブレイクにつながったのでした。


きみまろさんは必ず芽が出て、花が咲くことを信じて、活動し続け、「潜伏期間30年」を経て、「中高年のアイドル」と言われるまでになり、長年の労苦が報われたのでした。

 

報われ、実る時が必ず来る

 

上述の『おちょやん』の別の場面で「腐らず、諦めず頑張り続けたら、必ずその頑張りが実る時が来る…、いつかきっと、心の底から笑える時が来る」という決めゼリフがありました。

またある曲にも「全て失って 明日が見えなくて 迷うばかりでも どうか胸を張ってその悲しみが その虚しさが報われる時が必ず来るから」という歌詞があります。

 

あなたの苦しみは報いられる

 

聖書では「おのおのが歩んだ道 その業が結んだ実に応じて報いる…」(エレミヤ17:10 聖書協会共同訳)と記されています。別の訳では「わたし、主が心を探り、思いを調べ、それぞれ生き方により、行いの結ぶ実によって報いる」(新改訳)、「一人一人に それぞれの生き方に応じた報いを与える」(別訳)となっています。


また箴言12:14に「人は手の働きに応じて報いられる」とあります。これは直訳すると、「人の手がもたらすものが彼に戻ってくる」となり、つまり、「人はその行いに応じた報いを受ける」ということなのです。


さらに「主はこう言われる。泣きやむがよい。目から涙をぬぐいなさい。あなたの苦しみは報いられる、と主は言われる」(エレミヤ31:16 新共同訳)と書かれています。

別の訳では「主はこう言われる。あなたの泣く声を 目の涙を抑えなさい。あなたの労苦には報いがあるからだ――主の仰せ」(聖書協会共同訳)、「主はこう仰せられる、『あなたは泣く声をとどめ、目から涙をながすことをやめよ。あなたのわざに報いがある(口語訳)となっています。


たとえ今は成果が見えなくても、一生懸命生きて、諦めず頑張り続けていると、神様は必ず、報い、実らせて下さると約束されているのです。


私たちは悲しみ、虚しさ、苦しみ(労苦)がのちに神様によって報いられ、涙がぬぐわれて、「いつか、きっと、心の底から笑える時が来る」ことを覚え、希望をもって、生きていきたいものです。

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