何も咲かない寒い日はーやがて美しく、大きな花が咲くため

   何も咲かない寒い日は

 

 1992年、箱根駅伝で優勝した山梨学院大学は創部6年で箱根駅伝に出場し、15位から11位、7位、4位、2位へと順位を上げていき、最終的に優勝まで上り詰めました。


当時の山梨学院大学の上田誠仁(まさひと)監督は「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ」の言葉が好きだったそうです。


 この言葉は元三洋電機副社長の後藤清一氏の「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」『リーダーズノート』)という名言が元になっています。


山梨学院大学は下位だった時に監督による指導力、厳しい練習量、努力や忍耐の下積みという下へ下へと根を伸ばしていたのでした。


福島第1聖書バプテスマ教会の佐藤彰牧師は「確かに、やればすぐに成果が現れるというわけではありません。けれども、上に実が結ばない時にも、黙って手をこまねいているのではなく、見えない大地の下に底深く、下へ下へと根を伸ばせというのです。…大地にしっかりと根を張るというプロセスを飛び越えることはなく、確かな形で実を結ばせていただきましょう」と述べています。

 

今は無理に咲かなくてもいい

 

今は亡き、渡辺和子シスターも「どうしても咲けないときもあります。…そんな時には無理に咲かなくてもいい。その代わりに、根を下へ下へと降ろして、根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、このように次の花を咲かせ、前進させるために、根を下へ下へと降ろして、根を張って、美しいものとなるために」と述べています。


『いのちの根』『根はみえねんだなあ』

 

相田みつを氏の詩に以下のような詩があります。

 

「なみだをこらえて
かなしみにたえるとき
ぐちをいわずに
くるしみにたえるとき
いいわけをしないで
だまって批判にたえるとき
いかりをおさえて
じっと屈辱にたえるとき
あなたの眼のいろが
ふかくなり
いのちの根が
ふかくなる」(『いのちの根』「人間だもの」)

「花を支える枝
枝を支える幹
幹を支える根」
根はみえねんだなあ」
(『根はみえねんだなあ』「人間だもの」

 

下に根を張り、上に実を結ぶ

 

聖書においては「ユダの家の中で難を免れ、残った者たちは再び根を下ろし、上には実を結ぶ」イザヤ37:31)、また「ユダの家ののがれて残った者は下に根を張り、上に実を結ぶ」新改訳)と記されています。見えない下の根に養分を多く吸収して、根を大きく張って伸ばしていると、やがて上に多くの実を結ぶというのです。


「下に根を張る」とはキリスト教的に言うと「祈り」「神のみ言葉(聖書)を聞くこと」「信仰」「希望」「愛」「忍耐」「感謝」などの蓄積、積み重ねと言えるのではないでしょうか。

 

やがて美しく、大きな花が咲くため

 

私達は現在、コロナ禍の中で正に「何も咲かない寒い日」を迎え、積極的に活動できず、行動も狭められ、仕事や家庭や様々な所で、窮屈で不便な生活を強いられています。


この時こそ、私たちは上に実を結び、次に咲く花がより大きく、美しいものとなるために、下へ下へと見えない根を降ろし、根を張って生きていきたいものです。

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