イエス様は私たちの「隠れ家」「隠れ場」
コーリー・テン・ブーム(2)
以前の月報でナチスの強制収容所に収容されて、生還したオランダ人クリス
チャン女性のコーリー・テン・ブームのことを取り上げましたが、今回も紹
介したいと思います。
彼女の家族はユダヤ人たちに「隠れ家」として提供したことで、密告され、
家族全員が強制収容所へ連行されることになりました。
強制収容所ではコーリーは姉と共にノミだらけの不衛生な小屋で寝かせられ
た上に、食事も家畜のエサのようなものを食べさせられ、さらに過酷な労働
を強いられました。
「私はあなたの隠れ家」
その後、彼女が病気になると独房に入れられて隔離されることになり、人生
で初めて本当の孤独を味わいました。さらに彼女の命も侵略者の手中にあっ
て、「殺されるか」「拷問にあうか」「そのまま放って置かれるのか」とい
う窮地に立たされました。
彼女はあまりの恐怖にいたたまれず、独房の壁にもたれかかって立ち、『主
よ、こんなことに耐えられるほど力はありません。私には信仰がありませ
ん』と叫びました。
その時に彼女は一匹の蟻に気づき、その蟻が床の石に水があるのを感じて、
壁の小さな穴の「隠れ家」に一目散に逃げる様を見ました。
その時、『コーリー、自分の信仰を見てはいけない。あの蟻の小さな足のよう
に弱い信仰を。ここにいる残酷な人々から受けるかもしれない扱いのことばかり考
えていてはいけない。
私はあなたの隠れ家。蟻が壁の中に消えてしまったように、あなたも私のところ
に走ってくるのだ』という、まるで主がこのように語られたような気がし
て、彼女の心の中に真の平安がもたらされたのでした。
その後、コーリー・テン・ブームは91歳で天に召されるまで、「神の愛が
届かないほどの深い淵はありません」「どんな深い穴の中にもイエス様がおられ
る」と世界中に伝え続け、人々に影響を与えました。
聖書における「隠れ家」「隠れ場」
聖書では「いにしえの神は隠れ家 とこしえの腕で下から支えてくださる」
(申命記33:27)、「また仮庵となる。それは昼の暑さの陰となり、嵐
と雨からの逃れ場、また隠れ家となる」(イザヤ書4:6 以上、聖書協会
共同訳)、また他の訳では「神は私たちの隠れ家、また力、 苦難にあえぐ
ときの確かな助けです」(詩編46:1)と記されています。
また「隠れ家」は「隠れ場」とも表現されていて、「あなたは私の隠れ場。
あなたは苦しみから私を守り、救いの歓声で、私を取り囲まれます」(詩篇
32:7)。「いと高き者のもとにある隠れ場に住む人、全能者の陰にやど
る人は 主に言うであろう、『わが避け所、わが城、わが信頼しまつるわが
神』と」(口語訳 同上91:1~2)。「あなたはわが隠れ場、わが盾で
す。わたしはみ言葉によって望みをいだきます」(口語訳 同上119:1
14)と記述されています。
イエス様は私たちの「隠れ家」「隠れ場」
新約聖書的には「隠れ場に隠れる」とは、「キリストのうちにとどまる」
と同義語で、そこからイエス様は「人がわたしにとどまり、わたしもその人の
中にとどまっているなら、そういう人は多くの実を結びます。わたしを離れて
は、あなたがたは何もすることができないからです」(ヨハネ15:5)と語
られています。
さらにイエス様は「私の肉を食べ、私の血を飲む者は、私の内にとどまり、
私もまたその人の内にとどまる」(同上6:56)、「イエスは、ご自分を
信じたユダヤ人たちに言われた。『私の言葉にとどまるならば、あなたがた
は本当に私の弟子である』」(同上8:31)と仰られています。
イエス様はどんな時も私たちの「隠れ家」「隠れ場」となってくださいます
ので、私たちは救い主イエス様の下に「とどまり」続けたいものです。
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